今年の残りの時間は旧作で観たいと思っていた作品を一つずつ楽しむことに決めたので、今回も旧作の魅力を紹介します。
今回は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』です。
2019年公開の作品で、アカデミー賞(助演男優賞・美術賞)を受賞しています。
タイトルはずっと前から知っていましたが、150分超の尺だったので、「もう少し時間のある時に・・・。」と先延ばししていました・・・。
なんだかんだでやっぱり気になる!ということで今回じっくりと鑑賞しました。
監督はあのクエンティン・タランティーノですので、すこし血のにおいがしますね。
まずは公式HPからあらすじを
リック・ダルトンはピークを過ぎたTV俳優。スターへの道が拓けず焦る日々が続いていた。そんな彼を支えるクリフ・ブースは彼に雇われた付き人でスタントマン、親友でもある。エンタテインメント業界に精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してくる。自分たちとは対照的な二人の輝きに触れたリックは、俳優としての光明を求めイタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが—。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ソニー・ピクチャーズ公式より
といった感じで、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという存在感がありすぎるスターが共演するという、ジャケットから違和感を感じてしまう組み合わせです。
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それではネタバレを抑えつつ魅力を紹介します。
あのレオ様が中年の悲哀を完璧に再現!!
まず、私が一番感動というか惹き込まれたのは、レオナルド・ディカプリオの演技です。
そんなの当たり前だろ!とツッコまれそうですが、今回ディカプリオ演じるリック・ダルトンはピークを過ぎたTV俳優ということで、若い頃の勢いはなくしたものの、プライドを完全には捨てられず、かといってチャンスがあまりなく、自分に絶望し始めているという、「ザ・中年」という設定です。
だいたい世の中のオジサンというのは、そういうもんですが、あのディカプリオが中年の悲哀を完全に再現しています!
仕事にもかかわらず、酒に頼りながら、よくわかんない絡みをしたり、痰を吐いたり、それを見ていた共演の8歳の子役(ジュリア・バターズ)に眉をひそめられている姿は、日本でもよくみるオジサンですね。(偏見か?)
そして、その中で一番心を動かされたシーンは、「メンタルがやられながらも、なんとか自分の演技をこなした時に、監督に褒められ、8歳の子役に「今までの人生で一番の演技だった」と褒められて涙ぐんでいる」ディカプリオの姿でした。
「ピークを過ぎて、自分の存在価値が分からなくなっている時に努力が認められて、涙ぐむ」というのは、近い年代の自分からみると共感しすぎて、「ディカプリオがんばれ!」ってなりました。
実際のディカプリオは成功しすぎるぐらい成功しているので、ディカプリオを励ましても意味ないんですが、それくらい惹き込まれました。
鑑賞した後に「やっぱりレオ様すげぇな」ってしみじみと感じ入りました。
最後はやっぱりタランティーノ作品
タランティーノ監督といえば、個人的には『パルプ・フィクション』を思い出してしまうので、観る前から少し血のにおいを感じていました。
先にディカプリオの演技の魅力を伝えたように、人間味を感じるストーリーが進んでいくので、「あれ?今回はテイストが違うのかな?」と思っていたところ、やっぱり最後はらしさ前回の怒濤のストーリーでした!
公式HPには、あらすじの他に次の様に紹介されています。
1969 年8月9日、事件は起こった。
ラスト13分。タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす。
この部分はしっかりと鑑賞した方がよいと思いますので、詳細は書きませんが怒濤のストーリーから、最後はしっかりと余韻が残る個人的には好きな終わり方でした。
ちなみに「ワンス・アポン・ア・タイム~」というのは、「昔々・・」的な表現だそうです。
「昔々・・ハリウッドではこんなことがありましたとさ」といった感じのタイトルですね。
その意味も、最後まで観ればなんとなく分かります!
ディカプリオだけでなく当然ブラッド・ピットも素晴らしい演技で、二人の存在感だけで魅入ってしまいますが、タランティーノ監督が描こうとした世界観も楽しんでもらいたいです。
正月のゆっくりした時間にオススメ!
ではでは。


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