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デキる「いい人」を目指す!『GIVE&TAKE アダム・グラント』

山小屋の本棚

こんにちは、ゆる登山家です。

すっかり真冬になり、ただでさえ寒いのに「10年に1度の寒波」なんてニュースで聞いたら、低山登山もできません。とりあえず、色んな本を読んで、筋トレをして教養や筋力をUPさせて今年の荒波に備えたいと思う今日この頃。うさぎ年にちなんで少しでも飛躍の年にしたいです。

そこで、今回は成功者の性格に関する書籍をとりあげます。

世の中には多くの成功者(起業家や経営者、コンサルタント、研究者)がいますが、成功する人と成功しない人は何が違うんでしょうか?

社会で成功するためには「他人との競争で勝つ」「いい人では成功しない」「自分がしたことには相手からも対価をもらわなければいけない」というようなことを私は、大学卒業時にイメージしていました。色々な書籍やコラムにも同じようなことが書いてあったような気がします。

成功する人の特徴は実際のところ何なのか?

今回はそんな疑問に一つの答えを示してくれる名著『GIVE&TAKE』を紹介します。

著者のアダム・グラント氏はペンシルベニア大学ウォートン校教授で、あの有名なgoogleやゴールドマンサックスでコンサルティングを行う超優秀な組織心理学者です。

グラント氏は人の性格を3つに分類し、どの性格が最も成功するのかを様々な研究を通して突き止めました。

グラント氏が導き出した結論は、皆さんの考えとは少し違う面白い結果かもしれません。

それでは読んでいきましょう。

 





性格の分類パターン

まず、グラント氏が分類した3つの性格について説明します。

性格の種類をテイカー(taker)・マッチャー(matcher)・ギバー(giver)に分類し、それぞれ次のように定義します。

  1. テイカー:常に与えるより多く受け取ろうとする
  2. マッチャー:与えることと受け取ることのバランスをとろうとする
  3. ギバー:相手の利益になるようにして、受け取る以上に与えようとする

本書を読んだ時に、私はどちらかというとマッチャーかなと自覚しました。本書を読み進めるにあたって自分がどの性格かなと考えながら読むと更に面白いです。

それでは成功しにくい性格から順番に見ていきます。

最も成功しないのはギバー

グラント氏によると最初に最も成功した割合が少ないのはギバーとのこと。

本書では「成功する・しない」という結果は様々な実験で、性格を3つに分類して売上や契約数などから判定してます。

ギバーが成功しなかった理由は、「他人に手を差し伸べることに時間がとられて、自分の仕事が進められなかった」「仕事の目的がわからず熱意が持てなかった」「テイカーに都合よく使われてしまった」といったことが挙げられるようです。

「自分の時間が取れない」「テイカーの餌食になった」は何となく想像がつきますね。ギバーは「人の役に立つ」ことに価値観をおく「いい人」タイプですから。

「人の役に立つ」という価値観は大事ですが、自分を犠牲にしてしまうと成功できないということですね。

2番目の成功者はテイカーとマッチャー

次に成功しやすいのはテイカーとマッチャーだそうです。

「アレっ、じゃあ一番は?」となりますが、それは後程取り上げます。

テイカーとマッチャーが成功するのは、想像しやすいですね。テイカーは「他人との競争に勝って多くの利益を求める」でしょうし、マッチャーは「自分が損をしないように行動する」わけですから、失敗はしにくいでしょう。

なぜ、この二つの性格は一番ではなかったのか?

グラント氏によればどちらの性格にも共通しているのが、「自分志向」で行動しているという点です。

「自分志向」ではなぜそれほど上手くいかないのか?

「自分の利益のため」という思惑が周囲に伝わるため、協力者ができにくく大きな利益につながりにくい、とグラント氏は説明しています。

言われれば確かにと思いますね。「結局自分のためだけなんだろうな」と感じると協力する意欲はなくなります。

最も成功するのは・・・

さあ、結局最も成功したのはどんな性格だったんでしょうか?

成功したのは・・・

ギバーです!

「えっ」となりますが、最も成功したのも、最も成功しなかったのもギバーという結果だったそうです。

グラント氏によれば、成功するギバーと失敗するギバーには明確な違いがあるとのこと。

失敗するギバーは「他人の役に立つために、自分を犠牲にする」傾向があったそうです。他人に尽くそうと全力で取り組み、自分の事を後回しにして成果を上げられないということですね。確かに「いい人」はそうなりますね。「テイカーの餌食」にもなりやすいです。

それに比べて成功するギバーは他者だけでなく「自己利益」をしっかりと認識しており、自己犠牲で消耗してしまうことはないそうです。この成功するギバーをグラント氏は「他者志向的」なギバーと定義しています。

それでは他者志向的なギバーになるためにはどうしたらいいんでしょうか?

他者志向的になる方法は?

自己犠牲的なギバーと他者志向的なギバーはどこが違うのか?

グラント氏は次のように説明しています。

他者志向になるということは、受け取るよりも多くを与えても、自分の利益は見失わずそれを指針に「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのである

逆に自己犠牲的なギバーは「病的に他人に尽くす」と表現しています。

これはどういうことなのか?他人に求められるままに尽くすのではなく、他人に尽くす時に自分の気力や意欲が高く維持される方法をとることで、与える行為(ギブ)だけで消耗せずに活動できるということだそうです。

確かに、私も以前は他人(家族・上司・同僚)が求めることに何とか応えようと必死になっていましたが、いつのまにか疲れ切ってしまって気力がなくなることがよくありました。私の場合は「なんでもすぐに対応」という考え方を捨てて、「時間がないなら、もう少し後で」と考えるようになって少し楽になった気がします。

グラント氏も「与える行為はまとめて行った方が、満足度が高い」と説明していますので、ダラダラとギブをせずに、メリハリをつけることが大事なようです。

最も成功する可能性が高い「他者志向的ギバー」の考え方は分かりましたが、「他者志向的ギバー」になればすべてうまくいくのでしょうか?

他者志向的ギバーの落とし穴

ギバーは「他人の役に立つ」という価値観を重視する性格ですから、「他人の利益を奪っても自分の利益を最大化する」ことを重視するテイカーの餌食になる可能性が高い、とグラント氏は説明しています。

その上で、グラント氏は他者志向的ギバーがテイカーの餌食にならずに成功する方法として、

テイカーとつき合う時にはマッチャーになればよいとしています。ただ、最初はギバーとして行動することが必要とのこと。

つまりギバーが成功するためには、ただ他人に親切なのではなく、相手の性格を見極めて「利用されるだけの状況」を回避する努力が必要なんですね。

グラント氏が挙げている事例では「テイカーと分かった相手には、○○を達成したら○○する」という交換条件にもっていくことで、相手の真価がわかり、今後の付き合い方を変えることができるとしています。

確かに私の経験上でも、なんだかんだと要求してくる人は「こういう結果を目指しましょう」と決めても自分では何もできず「えっ?」となったことがあります。きっとテイカータイプだったんだなと本書を読んで思いました。小心者の私はいいように使われていたんだなと感じて、少し悲しい気持ちになります。

最後に他者志向的ギバーはどうして成功するのか?をとりあげます。

どうして成功するのか?

グラント氏によると、他者志向的ギバーは受け取るよりも与える利益が多いので他者の成果が大きくなり、結果として利益全体(パイ)が大きくなるとしています。

「パイが大きくなる」⇒「ギバーが受け取る利益も大きくなる」⇒「他者も利益が大きいので、もっとギバーに協力的になる」⇒「パイがもっと大きくなる」

この好循環で大きな成功を収められるというのが、ギバー成功の理由だそうです。

自分を助けてくれて、自分の利益が大きくなれば誰でも協力的になりますよね。

この考え方は起業家や経営者だけでなく、組織のリーダーや教師等様々な場面でも成果があるとグラント氏は伝えています。やはり、一人で達成できる成果には限りがありますから協力の輪をどんどん広げることが成功につながるということですね。

私も残りの会社員生活が半分になってしまいましたが、少しでも他者志向的ギバーの考え方を取り入れて精進したいところです。

最後に

今回は成功者の性格の秘密を解き明かした『GIVE&TAKE』をザックリ紹介しました。

本書には様々な成功者の経験や考え方を変えた経緯、失敗者の行動も紹介されています。近くにこんな人いるなとか、こういうこともあるのかとたくさんの気づきがあると思いますので、もっとギバーの成功の秘訣を知りたい方は是非本書を手に取って読んでみて下さい。

それでは、最後に本書で紹介されていた、深イイ言葉を載せて終わりにしたいと思います。

知的な利他主義者は、知性に欠ける利他主義者より利他的ではないが、知性に欠ける利他主義者や利己的な人よりは健全だろう  ハーバート・サイモン(ノーベル経済学賞受賞者)

デキるいい人になりたい!

ではでは。


 

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