12月に入り、寒さと熊の恐怖が登山意欲を削いでしまうので、じっくりと読書にいそしむ今日この頃。
今回は新しい性格診断を取り上げる本を紹介したいと思います。
まず最初に著者の岡田斗司夫氏について紹介します。
岡田氏はアニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを設立されました。ガイナックス制作のアニメは「不思議に海のナディア」が個人的には非常に懐かしく感じる名作ですが、岡田氏退職後に制作された「新世紀エヴァンゲリオン」の方が超有名ですね。
そんな岡田氏は「オタキング」の名で広く親しまれて、色々な講演を行っておられるようです。
その講演の中で、人気のテーマが本書『人生の法則』にまとめられています。
巷にはたくさんの性格診断があって、動物に例えたり、脳のタイプとか、一番シンプルな血液型なんかもありますね。どれも診断結果をみると「まぁ確かに合っているような」って感じがしますが、その後は特に気にも止めなくなることの方が多いような気がします。
岡田氏が紹介する性格診断は、どちらかというと人間観察に基づくような部分があり、4つに分類された性格が互いにどんな関係があるか、どう接すると人間関係がうまくいくかといった内容にも踏み込んでいるので、実社会で活かしやすい内容だと思います。
それでは、読んでいきましょう!
4つの性格
岡田氏は人の性格には次の4つがあると説明しています。
- 注目型
- 司令型
- 理想型
- 法則型
それでは岡田氏の解説を基に、1つ1つ簡単に説明します。
注目型は「情熱が何よりも大切なタイプ」「承認欲求が強く、ムードメーカータイプ」でアイドルになるタイプだそうです。
司令型は「頑張り屋で負けず嫌い」「社会的地位や序列を一番気にするタイプ」でリーダーや指導者になるような人たちだそうです。
理想型は「結果よりもプロセス重視」「自由で自分らしい生き方を好むタイプ」で職人や芸術家になるような人たちですね。
最後に法則型は「物事の仕組み・法則重視」「自主性が強く、何事も理由が知りたいタイプ」で理想の参謀タイプだそうです。
この4つの性格診断をするために、本書には診断テストがあるので実際に自分でやってみることができるので、私もやってみました。
私のタイプは法則型でした。確かに「理由がわかれば、理不尽なことでも何でも納得してしまうタイプ」ではあるので合っているような気がします。
性格診断をするところだけでは、よくある書籍になってしまうのですが、本書ではさらにそれぞれのタイプの関係性と接し方を説明しています。
それぞれの接し方
それぞれのタイプと接し方について、岡田氏は「お互いに理解できないタイプが存在する」としています。
対角線の法則というそうですが、「注目型⇔法則型」「司令型⇔理想型」はお互いに理解できないのだとか。
注目型 | 司令型 |
理想型 | 法則型 |
この対角線という表現は、本書中でそれぞれのタイプの位置を長方形の四隅において説明していますので、こういった表現になっています。
この理由は、「司令型は理想型のようなこだわりを持っていない」「注目型には法則型の様な物事を理解しようという欲求がほとんどない」といった点からお互いが理解できないそうです。
確かに人前に出るのが苦手な私には、周りから注目されるのが楽しいアイドルの気持ちは、これからもずっと分からない気がします。
わかり合えない性格の人がいることは、自分の経験上からもすごくよく分かるんですが、そういった人とはどう付き合うのがいいんでしょうか?
人間関係のコツは?
岡田氏は自身の経験から、「お互いを理解し合えなくてもまったく構わない」として、「お互いの欠点をカバーすることでベストパートナーになることも多い」と説明しています。
つまり本書の目的は、ただの性格診断ではなく、人間観察から相手の性格タイプを理解して良好な人間関係を築くということですね。
今までは私も「あの人の考えは分からないな。あんまり刺激しないでおこう」という対応の方が多かったような気がしますが、本書の性格診断に沿って観察してみると相手の欠点と長所が少し分かるような気がしました。
今回は岡田斗司夫氏の『人生の法則』から性格診断の一部を簡単に紹介しました。
本書には、紹介した性格タイプの相互関係をもっと詳しく説明されています。どのタイプにはどのタイプへの憧れがあるとか、どちら寄りといったことから、最後は「文化とは」といったテーマでも考察されていて、非常に興味深いと思います。
今までの性格診断に関する書籍とは少し違った角度から考えさせられる良書と思いますので、興味のある方は是非手に取ってみてもらいたいです。
ではでは。
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