不惑の40代を迎えて、最近特に感じるのは「人生あっという間だなぁ」です。
なんか若い時は1日がすごく長くて、大学生の時なんか時間が永遠にあるような感覚すらありましたが、気がつくと人生も折り返し、色んな記憶を辿ることが多い気がするのは私だけでしょうか・・?
そんな人生の儚さを感じ始めたこの頃、「もっと早く読みたかった!」と感じる書籍に出会いましたので、紹介したいと思います。
今回の書籍は『限りある時間の使い方』です。
著者のオリバー・バークマン氏は、
イギリスの全国紙ガーディアンの記者として、外国人記者クラブ(FPA)の若手ジャーナリスト賞などを受賞した気鋭のライター。著書『解毒剤 ポジティブ思考を妄信するあなたの脳へ』が世界各国で話題を呼んだ。ガーディアン紙で心理学に関する人気コラムを毎週執筆中。ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルといったアメリカの有名紙、雑誌やサイコロジーズやニュー・フィロソファーにも記事を寄せている。ニューヨーク在住。
著者紹介から引用
と紹介されており、心理学に関する発信が多い方だそうです。
本書もその一つで、ベストセラーになっていて、多くの読者に受け入れられてるんですね。
『限られた時間の使い方』は単なる「時間の有効活用」を教える書籍ではなく、「人生の目的と時間の関係性を見直して、良い人生にしよう」というテーマです。
普段は考えなかった目線での「時間の捉え方」があり、ハッとさせられるポイントがたくさんあるんですが、その中から私の目からウロコが落ちた3つのポイントを紹介します。
それでは、読んでいきましょう!
処理能力を上げても幸せになれない
最初に私のウロコが落ちたのは、バークマン氏の「タスク処理能力には意味がない」という主張です。今までのビジネススキル書籍や自己啓発本では、「タスクを最速で処理して、本当に大事な仕事に時間を使おう!」的な内容が多かったと思いますが、バークマン氏の主張は逆です。
必要なのは効率をあげることではなく、その逆だった。
すべてを効率的にこなそうとするのではなく、すべてをこなそうという誘惑に打ち勝つことが必要だったのだ。
本書より引用
つまり、バークマン氏は「効率的なやり方」ではなく「やらないこと」を選定して、限られた時間でやりたいことを自由にするスキルをもつことが大事だとしています。
私も、今まで雑務のようなたくさんのタスクをこなして、なんとなく1日の充実感を感じていましたが、本当に大事なことをするには「やらないこと」をもっと積極的に決めて実行に移さないと、どれだけ自分の能力を磨いても意味がないかもしれないと考えさせられました。
タスクをいくら処理しても、仕事が進むとさらに仕事がくることは、会社員あるあるですね。かといって「やらないこと」を増やして、やる気を失うことも問題ですが・・・。
「なにがなんでも、仕事をこなす!」という考え方は必要ないかもしれません。
『今』は最後の瞬間
バークマン氏は「資本主義は現在の生活を、将来の幸福に向かうための移動手段としか考えられない。(中略)人生の「本当の意味」が未来にあると信じることで、今この時を生きることから逃げているわけだ」と主張しています。
この内容は、大きめのウロコが落ちましたね。
確かに、私もずっと「将来のために」という理由で今しかできないことや、本当にやりたいことを先延ばしにして仕事をしてきたと実感します。時間やお金を気にしすぎず、人と会ったり、旅行をしたりしていれば・・・なんて思います。
しかし、バークマン氏によれば私のような「旅行をしたり、貴重な体をしたり・・」という考えも間違っていると言っています。では「今を生きている」ことを感じられるのか?
バークマン氏によると、今を生きる最善のアプローチは「自分は今ここにいるという事実に気づくことだ」そうです。
マインドフルネスに通ずるところがありますね。「今、自分は○○している」という自己認知のような思考をすることで、「今生きている実感」を得ることができるということですね。
何のためでもないことをする
この項目は、個人的にすごく気に入りました。
バークマン氏は本書の最初の段階で、「人間の寿命は何週間あると思いますか?」という質問を友人達にした結果を教えてくれています。
どれくらいかパッとわかりますか?
正解は概ね4000週間です!!
人生80年とした場合ですが、率直な感想としては「えっ、そんなもん?」だと思います。
バークマン氏はそんな短い人生で、
中年期には、多くの人が自分の死を意識しはじめる。死を意識すると、将来のためだけに生きることの不条理さを無視できなくなる
本書より引用
と書いていて、私にはストライクすぎて、激しくうなずきました。
さらに
何らかの達成を目標とするのではなく、ただ活動そのものを楽しむこと。僕たちはそんな活動をもっと日々の生活に取り入れた方がいい。
本書より
と伝えています。
ちょっと分かりづらいですが、要は「趣味」を持つことが大事ということですね。特に社会的な見栄えと遠いくらいがいいとしています。
ミュージシャンのロッド・スチュワートは意外にも鉄道模型が趣味なんだとか。
バークマン氏は趣味は平凡であればあるほどいいと言っています。
この話は、本当に共感しかないです。
私も毎日会社と家を往復しながら「もっとよい人生にするために何をしようか」と考え続けてきましたが、中年になり「もっと人生を楽しむために、意味の無いような趣味にも時間をとっていいんじゃないか?」と感じていたところでした。このまま生きると、死に際になんだか寂しさを感じる気がして・・・。
価値観は人それぞれですが、「価値を求める人生」と同じくらい「自分の心が豊かな人生」を大事かなと思います。
まとめ
今回は、オリバー・バークマン氏の『限りある時間の使い方』から、よくあるビジネス本や自己啓発本とは異なる視点での人生の時間について、ちょうど人生を折り返した私がウロコを落としたポイントを紹介しました。
本書は冒頭に「長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる」というインパクトのあるフレーズから始まり、「時間の有効活用」でなく、「自分の人生の捉え方」をテーマに書かれていました。私が紹介したポイント意外にも様々な視点や著名人の例を踏まえて、人生についての新たな視点を伝えてくれる良書だと思いますので、興味の湧いた方は是非手に取って読んでみてください。
残りの人生2000週間!悔い少なく生きていきたい!
ではでは。
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