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令和版リーダーシップ!『リーダーが嫌になった時に読む本 加来耕三』

山小屋の本棚

こんにちは、ゆる登山家です。

どんどん冬が近づいてきて、休みの日も外出が億劫になる日が増えてきた今日この頃。今年の登山もあと1座くらいかなぁなんて考えてます。

これからはまた読書の時間を増やして、新しい知識や考え方を吸収していきたいところです。

今回は、リーダーシップに関する書籍でも少し変わった発想の書籍を紹介したいと思います。

『リーダが嫌になった時に読む本』という名の通り、「リーダーとはこうあるべきだ!」とか「歴史上の偉人はこうやってリーダーシップをとって成功した!」といった王道のリーダーシップ論ではありません。

著者の加来氏は、リーダーが少ないように見える現状は「リーダーがでてきていないのではなく、従来のリーダー像と令和で求められるリーダー像が違うだけではないか」と考えているそうです。そこで、「リーダーにはいろいろな性格があっていい」との発想から歴史上の偉人の性格や行動を参考に、「望まずに嫌々リーダーのポジションについた人」の助けとなるように37の偉人をとりあげて紹介しています。

今回はその中から、3つの興味深いポイントを紹介したいと思います。

それでは読んでいきましょう!


 




迷ったら逃げよう(木戸孝允、織田信長)

いきなりネガティブな感じですが、逆にこう言われると気が楽になりますね。

かつて人気になった「逃げ恥」のように後々の役に立つなら、一旦逃げるという選択肢もありということですね。

土壇場でこの考え方をして、後に成功した偉人が木戸孝允(桂小五郎)と織田信長です。

どちらも小学校で学ぶ超有名人ですね。

木戸孝允は「逃げの小五郎」と異名をとるほどに「逃げ」のイメージが強い人物で、不穏な気配や当時の長州藩内での危険を察知すると身を隠して時が来るまで耐え忍んでいた人物です。

それだけ逃げていても結果的には、生き延びてチャンスをものにし、「明治維新の三傑」といわれる功績を残すことができています。

そしてもう一人の偉人は、攻めるイメージの方が圧倒的に強い織田信長です。

信長も1570年に浅井・朝倉の連合軍に挟み撃ちにされ、絶体絶命となった時には自分と親衛隊のみ(友軍と味方を置いて)で逃げ切り、後年に浅井・朝倉連合軍にリベンジを果たしています。(味方を完全に切り捨てるのもどうかとは思いますが・・・)

二人の行動に共通することは、「死んだらそれまで」ということですね。どれだけ高い理想や能力があっても玉砕してしまったら何も残せません。

現代社会でもリーダーとして仕事をする場合に、どうしても自分のメンツを保ちたいと思う場面があると思います。(自分が始めたプロジェクトだから、自分の顧客だから等々)

そんな時に「一旦止めて仕切り直した方がよくないか?」と自問自答して、次の手を考えた方が上手くいくこともあるでしょう。

先人に学ぶ(北条義時)

二つ目は「先人に学ぶ」です。

これを選んだのは今年のNHKに乗っかったわけではないですよ!

これは本当に私の経験からも実感します。

リーダーのポジションになったばかりの時は誰でも初心者ですから、わからないことだらけで不安でいっぱいになります。私も急遽、事業所を一つ任された時は毎日内心震えてました・・・。

そんなリーダーに急になった時に備えて、過去の出来事や前任者の方法を学んでいたり、本を読んで知識や思考を深めているかで成果が大きく変わると思います。

私もとりあえず知識を増やそうと色々読んだり勉強していたおかげで、すこしずつ不安が解消されて落ち着いてきたのを覚えています。

この点で取り上げられている北条義時は北条時宗の次男でしたが、長男の宗時が急死し、父の時宗が権力をもって暴走したために急遽鎌倉幕府の執権となったそうです。

鎌倉幕府は朝廷との戦(承久の乱)のために、遠征軍を送りますが、義時は自分は動かず息子に指揮を任せたそうです。本書の著者加来氏は「その目的は義時が鎌倉を離れた隙に鎌倉を攻められることを防ぐためだった。義時がこの戦法をとったのは、過去に源頼朝が平家追討時に自分が動かず、義経に任せたことを倣ったのだろう」と説明しています。

リーダーになって間もない時は、まず先人の行動や考え方を追従して、リーダーとしての役目に落ち着いてきた時に自分のオリジナリティを出す方が精神的ストレスや失敗を少なくする方法かもしれませんね。

部下に感謝する(豊臣秀吉)

3つ目は「部下に感謝する」です。

リーダーが嫌になった時は部下への対応に困っている状態かもしれないので、中々受け入れられないかもしれませんが、私の経験上もこれは大事だと感じています。(できない時もありますが・・・)

マイペースな部下や反発的な部下、無気力な部下など色々な人がいますが、いつも押さえつけるような言動で接していても自分のストレスも部下のストレスもたまる一方ですよね。

なにはともあれ仕事をした部下については感謝の気持ちを伝えることで、後々スムーズにいくようになるような気がします。

ジェリー・ミンチントン氏の『うまくいっている人の考え方』でも似たような話がありますからね。

本書で取り上げられている豊臣秀吉は、自分の下で尽力した黒田官兵衛に「本来はあなたが受けるべき報奨を自分が受けてしまって申し訳ない。」とまでへりくだって感謝を伝えたそうです。

上の立場の人からこんなことを言われて悪い気がする人はいませんよね。「とりあえず次も頑張ろう」という気になると思います。

世の中色々ですが、部下のマネジメントで悩んだ時は、この話を思い出して少し感謝の気持ちを持って接するくらいがいいのではないでしょうか。

まとめ

今回は令和版リーダーシップとして、「嫌だけどリーダーになってしまった人」が少し前向きになれそうなポイントを紹介しました。

本書には38人の偉人の行動を例に様々な場面の考え方が述べられていて、「偉人もやっぱり人間だよな」なんて思ったりもします。

偉人についても説明がありますので、日本史に詳しくない方でも読んで面白いと思いますよ。

ではでは。

 


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