こんにちは、ゆる登山家です。
今回は、ローマ皇帝マルクス・アウレリウスの『自省録』を分かりやすくまとめた『超訳 自省録』を紹介します。
古代ローマの第16代皇帝で善政を施しながらローマ帝国の最盛期を実現した「五賢帝」に名を連ねています。当時のローマ帝国の人口は6000万人を突破しており、その最高責任者としての重圧は大きかったと想像できますね。
当時の娯楽である剣闘士の試合の観戦中にも未決済の書類を読んでいたという程の仕事熱心な皇帝であったようです。
本書にある「自省録」とは自分のために書き続けた「瞑想記録ノート」なのだそうで、あくまで私的な自分への叱咤激励のようなものを綴っているようです。
一般人には想像できないようなプレッシャーの中を生きてきたマルクス・アウレリウスが綴った言葉から、現代人の私たちでも共感できる言葉を5つ取り上げてみたいと思います。
いつの時代も人生の困難や苦悩に向き合うというのは、共通していると感じられて、今悩みを抱えている方は少し気持ちが楽になるのではないかと思います。
それでは、読んでいきましょう!
セルフコントロールが重要だ
「私の見解では、もっとも高く評価されるのは理性にしたがって自分を動かしたり止めたりすることである。」とアウレリウス帝は書いています。
「コントロールすべき以外の事を追い求めることをやめないのなら、君は自由でもなく、自分の幸福に満足することもなく、激情から逃れることもできないだろう」とも書かれてあります。
これは、人生の真理ですね。
私の周りをみても、自分の欲望や感情をコントロールできない人は幸せを感じにくい気がします。
要は自分をコントロ-ルできないと、満足感が薄いということでしょうか。
個人的には仕事でも休日でも、自分の思い通りに物事が進んだときの幸福感はなんともいえない気持ちになりますね。
想像力が苦痛を増大させる
アウレリウス帝は「苦痛は恥ずべきものではないし、知性を退化させるものでもない」と表現されていますが、ちょっと分かりづらいですね。
この言葉で伝えたいことは、「苦痛はただの苦痛なだけで、ものすごく辛いと感じるかどうかは自分の考え方次第だ」ということだと思います。
確かに「痛い、辛い、苦しい」という状態は、「このまま続いたらどうしよう」とか「もっとひどくなったら耐えられない」といった自分の想像力から増大されてもっとストレスがかかっている気がしますね。
私のように想像力豊か(ポジティブにいうと)なタイプはちょっとしたことを大げさに考えて、不安やストレスをため込んでしまいます。(周りからは考えすぎで引かれることも多々あります)
現実と自分の想像を少し離して捉えるのが重要ですね。
自分の判断を軽視するな
「どんな人でも自分のことを誰よりも愛しているのに、なぜ自分自身の判断を、他人の判断よりも軽視してしまうのだろうか」
これはいい言葉ですね。
きっとアウレリウス帝も重要な決断を多く経験して、この教訓を得たんだと思います。
自分のことは自分がよく分かっていると頭では分かっていても、周りの意見を聞くとどうしても流されてしまうことはよくありますね。
古代ローマでも今の日本人と同じような悩みや葛藤があったんだなあと、なんだか不思議な気持ちになってしまいますね。
現在は「自己肯定感」という言葉も広がっていますので、「まず自分の判断を信じようとする」心構えが人生を豊かにする第一歩かもしれません。
心に刻んでおきたい!
しっかりするんだ、自分!
「なんと恥ずべき事か!我が人生では肉体はまだ持ちこたえているいうのに、魂の方が先にくたばってしまうとは。」
これは、読んだ時に少し笑ってしまいました。
自省録は「瞑想的記録ノート」なのでこういう面もあると思いますが、唐突な松岡修造さん的表現だったので。
シンプルな表現で、精神的に辛いときに自分を鼓舞しようと書き留めたんでしょうか。短い文章にも大きなプレッシャーに耐えようとしている姿勢が想像できます。
今も昔も時には精神論も必要ということですね。
最高の復讐とは
「最高の復讐とは、自分自身が相手のようにならないことだ」
この言葉も自制心を大事にする姿勢が伝わって、よいと思って取り上げました。
アウレリウス帝は立場的に敵も味方もたくさんいる状況で、様々な協議や判断をしてきたんだと思います。
その中で「こいつは許せん」「やりかえしたい」と思うことは多々あったでしょう。
そんな中で、自分の感情をコントロールして戒めながら上の言葉を書き留めたと想像すると重みが感じられますね。
現代でも人間関係でうまくいかないことや不満をため込むことはありますが、相手の行動や感情と同調してしまうと同じレベルに自分が落ちていってしまう気がします。
相手と同レベルに落ちて復讐することには意味がありませんから、「私はあなたとは違うよ」という姿勢で人生を豊かにしていくことが大事なんだと思います。
終わりに
今回はアウレリウス帝の自省録を分かりやすくまとめた『超訳 自省録』から、少し気持ちが軽くなる言葉を5つ取り上げました。
本書を読むと、古代から現代まで文明がどんなに発達しても人間は同じような悩みを抱えているんだなあと、感慨深いものがあります。
本書には180の言葉が紹介されています。
アウレリウス帝は哲学者の面も持っていますので、その中には「人生の本質」というような深い部分を書き留めている言葉もありますので、非常に面白いと思います。
各言葉は短くまとめられているので、サラッと読めますので手に取ってみると読んでみてはいかがでしょうか。
今も昔も悩みは同じ!
ではでは。
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