今年も残りわずか・・・。
今年は個人的には頻繁に映画館で映画を鑑賞した気がしますが、残りの期間は旧名作を観て楽しみたいと思う今日この頃。
今回は、1996年公開の『ファーゴ』を鑑賞しました。
30年前にアカデミー賞(主演女優賞・脚本賞)を受賞しています。
私も作品名はなんとなく記憶にあったのですが、たまたま目に留まり、90分ほどの尺ということもあり「サクッと観てみよう!」というやや不純な動機で鑑賞しましたが、評判良いだけ合って余韻の残る良作でした。
まずはあらすじを
ノース・ダコタ州ファーゴ
初めは無邪気な偽装誘拐だった・・・
アメリカの田舎町で起こった本当の話自動車セールスマンのジェリーは妻と息子と幸せに暮らしているが、裏では多額の借金を負って破綻しそうな局面を迎えている。そこで妻を偽装誘拐して自動車業界の大物である妻の父から身代金をだまし取るという、とんでもない解決方法を考えた。その実行を“変な顔”のカールと不気味なゲアの前科者二人組に依頼する。手際よく偽装誘拐など出来そうにない彼らは、警官と目撃者を撃ち殺して殺人事件に発展させてしまう。捜査に当たるのは妊娠中の女性警察署長マージ。丹念に追及する彼女はジェリーに照準を合わせていく。
ファーゴ シネマライズオフィシャルサイトより
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あらすじに「本当の話」とかいてあったり、映画冒頭で「実話に基づく」といった表現が出てきますが、なんとすべてフィクションというブラックジョークの塊みたいな作品です。
旧作なのでネタバレも含みつつ魅力を紹介します。
人間はおかしくて、哀しい
作品ジャケットにも書かれている「人間はおかしくて、哀しい」という言葉通り、「凡人のちょっとした行動が引き起こす悲喜劇」が描かれています。
あまり仕事ができないが、妻の父(義父)が資産家であり、義父の会社でセールス部長として働いているジェリーが自分の窮地を脱するために、妻の偽装誘拐を企てて、整備工の紹介を受けたチンピラに依頼するところからすでに、「失敗するんだろうな」とほとんどの人が勘付いてしまうのが、すでにシュールですね。
そして予想通りに、予想外の行動をする人間によって計画は悲惨な方向への向かっていき、死者をだして、誰も得しない結果に終わる・・・という典型的な悲喜劇をある意味キレイに作り上げています。
今作で主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド演じる妊娠中の警察署長マージ・ガンダーソンが最後に逮捕したグリムスラッドに諭す、「ちょっとのお金よりも、人生にはもっと大事な事があるはず」という正論過ぎる正論がまたシュールさを際立たせます。
個人的には「うん、そうだね。でもそうじゃないところが人間だよね」って感じで、変な納得感で締めくくってしまいました。
でも、それが本作の最大の魅力なんじゃないかと・・・。
そんな最初から最後まで淡々と進む人間模様から、色々なメッセージを噛みしめられる良作です。
アカデミー賞受賞も納得。
ハマる人にはものすごくハマりそうな雰囲気のある映画です。
これから、年末年始に時間があれば是非一度鑑賞をオススメします!
ではでは。



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