普段の生活で色々な人と関わると、「この人全然物事に動じないな」とか「神経が太いな!」と感じることはありませんか?
比較的繊細な私は、他人からのちょっとした指摘や質問で動揺することがあるので、そういう人をみるといつもうらやましく思ってしまいます。
図太い精神を少しくらい手に入れられないものか・・・なんて思っていると、ちょうど良さげな本を見つけたので読んでみました。
外国人にも人気の禅の思考に基づいた考え方が載っていて、非常に興味深い書籍です。
今回紹介するのは曹洞宗健功寺の住職、枡野俊明氏の『図太くなれる禅思考』から、普段の生活にすぐに取り入れられる「図太い思考」を2つ紹介したいと思います。
まずは著者の枡野俊明氏について、
曹洞宗徳雄山健功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授、庭園デザイナー。大学卒業後、大本山縕持寺で修行。禅の思考と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞庭園デザイナーとして初受賞。
本書著者紹介から引用(一部)
といった方で、庭園デザイナーの仕事を通して禅の思考も世界に広められているそうです。
それでは、読んでいきましょう!
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禅僧の図太さ
「図太い」という表現からは「無神経」「人の心に土足で入る」といった、比較的ネガティブなイメージが強いですが、枡野氏が考える、「禅僧の図太さ」は次の様な状態を指すそうです。
- 嫌なこと、つらいことに押しつぶされないたくましさ
- 苦しい状況や困難な局面に置かれても、折れたり、へこんだりしないやわらかさ
- その瞬間は落ち込んだり、めげたりしても、すぐに立ち直れるしなやかさ
- 自分に批判的な周囲の声に接しても、「まあいいか」と受け止めることができるおおらかさ
最近よく聞く「レジリエンス(困難な状況からの回復力)」に近いイメージですね。
何かとストレスが多い現代は、こういった力をどうやって身につけるかが大事な気がします。
ではどうしたら、禅的な図太さを身につけられるんでしょうか?
開き直りと知足
枡野氏が説明されている、図太さを身につけるポイントとして次の2つが分かりやすいと思います。
- 開き直り
- 知足
1つ目の開き直りは枡野氏の修業時代からの経験にあるそうです。
枡野氏は雲水修行(禅僧になるための修行)に入っている時に、ガラッと変わった生活に中々慣れることができず、毎日どやされてばかりだったそうです。緊張の連続で夜もあまり眠れなかったのだとか。
こういった心境は、進学や就職・転職・引っ越し等で私たちも経験することがありますが、枡野氏はそういった生活を続けるうちにあることに気づいたそうです。
「環境が一変したのだから、失敗するのは当たり前、怒られながらできるようになればいいのだ」と。
そういった経験から枡野氏は良い意味で「開き直る」ことが、失敗への恐れを薄めて行動する図太さを身につける妙薬だと言われています。
「わからなければ、放っておく」というのは禅の根本的な考え方だそうですが、わかりやすくていいですね。私もこの精神を忘れずに生きていきたいです。
2つ目の知足は、結構有名というか、メンタルヘルス関連では目にすることが多いですが、「足るを知る」という意味ですね。
お釈迦様の言葉にはこうあるそうです。
「知足の人は地上に臥すといえども、なお安楽なり」
足ることを知っている人は、たとえ地べたに寝るような生活をしていても、心は安らかで幸せを感じることができる という意味だそうです。
これは個人的にも納得ですね。私も以前は「あれくらい年収が欲しい」とか「もっとやりがいのある仕事がしたい」とか、現状とは違う状況を欲していたように思いますが、その時は何をしていても楽しくは感じなかったですね。「今」の良い面を見ていなかったからのような気がします。
枡野氏は「どんな状況に置かれていても、それを”ありがたい”と受け止めること」と表現されていますが、一旦受け入れる事が大事なのかもしれません。
ここで1点だけ、別意見を言わせてもらうと、枡野氏は本書で「悩みを”ありがたい”と受け入れて乗り越えることが大事」と書かれていますが、メンタルを病んだ経験からは、「どんな悩みも受け入れる」のは精神が図太くなってからかなと思います。基本的に無理しすぎて現状を受け入れると、病みます。「今」に心の焦点を合わせられるようになってから、知足の精神を持ちましょう。
禅的図太さなら欲しい!
今回は、禅僧で庭園デザイナーの枡野俊明氏の『図太くなれる禅思考』から、分かりやすくて実践しやすいポイントを2つ紹介しました。
紹介したポイント以外にもたくさんの禅思考が紹介されていて、枡野氏の丁寧な人柄が伝わる、非常に読みやすいと思います。
紹介したポイントに興味を持って、「迷惑系じゃない、禅的図太さなら欲しい!」と思われた方は是非、手に取って読んでみてください。
禅的図太さを取り入れながら、折れずに生きましょう!
ではでは。
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