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絶妙な間がより芸術家感を感じさせる!『おーい、応為』

山小屋の映画コレクション

最近、少し体調を崩し気味で、山よりも映画や読書を選んでいたんですが、映画館からも足が遠のき気味だったので、今日は久しぶりに映画館へ。

あんまり騒がしくないのがいいなぁ、なんて思っていたらちょっと変わったタイトルが!

『おーい、応為』

「おーい、お茶」みたいな感じだったので、最初は葛飾北斎の伝記的コメディタッチ映画なのかと思っていましたが、上映館の導入部分を読むと意外と真面目そうな雰囲気が・・・。

私は美術館へ行くのも好きで、超有名な葛飾北斎はもちろん、葛飾応為も名前だけは聞いた事がありました。

ただ、本当に名前だけだったので、葛飾応為が女性だとは知りませんでした・・。

本作は葛飾北斎の娘であり、弟子でもある葛飾応為の人柄や北斎との関係を描いた作品です。

とりあえず公式HPからあらすじを

北斎の娘、お栄はある絵師の元に嫁ぐが、かっこうばかりの夫の絵を見下したことで離縁となり、父の元への出戻る。父娘にして師弟。描きかけの絵が散乱したボロボロの長屋で始まった二人暮らしだが、やがて父親譲りの才能を発揮していくお栄は、北斎から「葛飾応為(おうい)」(いつも、おーいとよばれることから)という名を授かり、一人の浮世絵師として時代を駆け抜けていく。

美人画でも名をはせる絵師であり、お栄の良き理解者でもある善治郎との友情や、兄弟子の初五郎への淡い恋心、そして愛犬さくらとの日常・・・。嫁ぎ先を飛び出してから二十余年。

北斎と応為の父娘は、長屋の火事と押し寄せる飢饉をきっかけに、北斎が描き続ける境地

”富士”へと向かうが・・・。

映画『おーい、応為』公式サイトより

といった感じで、実在の浮世絵師、葛飾応為の人生を描いています。

久しぶりの邦画ですが、あまりネタバレしない程度に魅力を紹介します。

芸術家父娘らしく、言葉は少なめでも通じるモノがある

江戸の浮世絵師として有名になっている、葛飾北斎は名声に溺れることなく画家としての飽くなき向上心で、生活のほとんどを絵の制作に注ぎ込んでいます。

そんな父、北斎の元に出戻ったお栄(応為)は男勝りで豪快な性格。

当然、二人暮らしのボロ長屋の中は、今で言うところの汚部屋と化します。

出戻った当初は絵を描くことに興味のなかったお栄が、再び絵を描くようになり、北斎もその才能を認めて行きますが、その中ではそれほど会話は多くなく、無言で静かなシーンも結構あります。(邦画特有かもしれませんが)

それでも、北斎がお栄を認めて、「葛飾応為」という号を与えた時のやりとりは、心が通じる雰囲気が良く伝わり心が温まりました。

「天才同士は凡人に分からない部分で通じ合う」というのは、色々聞いたことがありますが、まさにそんな関係性を感じられます。

普段は荒々しく言い合うこともありますが、なんやかんや父娘間の愛情も垣間見えるところもよきですね。

応為が美人すぎて、ちょっと会話が入ってこないことも・・

本作主演の長澤まさみさんは、日本を代表する俳優で、今回が時代劇初主演だそうです。

美人の長澤まさみさんが荒々しい口調の応為を演じているので、新鮮な魅力を感じて良いのですが、描く側の応為が美人過ぎて、しんみりとしたシーンや北斎とのやりとりがちょっと頭に入ってこないことがあります。

ただ!これは私が注意力散漫なだけで、書物等で伝わっている葛飾応為の性格や才能ある絵師の雰囲気は十分過ぎるほど演じられていますので、問題ありません。

ただそういう感じもあるかもよ、くらいでとらえて頂ければと思います。

2つ目のポイントは完全に蛇足でした。

意外と知られていない天才絵師・葛飾応為を描いた本作、誰もが見たことのある北斎の絵も出てきたりするので、美術にそんな興味がない方が観ても面白いと思いますよ。

ではでは。

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