こんにちは、ゆる登山家です。
今回も前回に引き続き元アメリカ国務長官長官のコリン・パウエル氏を追悼して著書の『リーダーを目指す人の心得 コリン・パウエル、トニー・コルツ著 飛鳥新社』から人生のためになる内容を紹介します。
さて、人は皆どこかで必ず間違いを犯すものですが、みなさんは決断した時は絶対に正しいと思っていたのに、後になって間違っていたことが分かったことはありますか?
私は一度転職したのですが、転職する前は「今の職場よりも絶対に働きやすいはず!」と考えていたのですが、実際に転職をして年月が経つと「働きやすい環境を必死に考えるよりもどんな生活をしたいか」を考えた方がよかったなと少し後悔する部分があります。
私のような些細な後悔なら良いのですが、パウエル氏の場合は重大さが違います。
パウエル氏の記者会見をテレビで観ていた方はすぐにわかると思いますが、パウエル氏が決断したことはテロとの戦いにともなうイラクへの武力行使です。
テロリストとのつながりを疑いイラクには大量破壊兵器があるとして、戦争に突入したわけですが後にイラクには大量破壊兵器の存在が認められず、決断が間違いであったと判明します。
誤った戦争を決断したパウエル氏はどのように考えていたのでしょうか?
それでは読んでいきましょう!
人生の汚点との向き合い方
まず、事の大まかな経緯を説明します。
本書に書かれている内容なので、もしかしたらパウエル氏の主観が深く入り込んでいるかもしれませんが、当事者ではない私には知ることができませんので、あくまで本書の経緯に沿って説明します。
パウエル氏は大統領からイラクに対する米国の姿勢を示す必要があると告げられ、国連での演説を命じられます。
そしてインテリジェンスコミュニティー(CIAやFBI等の情報機関)が作り上げた資料を受け取りますが、事実に基づく結論ではなく弁論趣意書(有罪か無罪かを主張する)のようなものだったそうです。
事実に基づく演説でなければ国連での同意が得られないと考えたパウエル氏はスタッフやCIA長官・副長官・CIA職員と資料を作り直し、集めた事実からの結論としてイラクへの武力行使への理解を求めました。
演説の結果は多数の同意と大きな反響を生みました。
確かに私もパウエル氏がイラクへの武力行使を力強く主張している映像に記憶があります。
しかし、実際にはイラクから大量破壊兵器は見つからず、後にCIAからの情報は情報源に問題があり信用できる情報ではなかったことが判明します。
その後はマスコミやネットで取り上げられ続けます。
戦争を始めた責任を負うなんて、一般人には到底想像できませんね。
この件についてパウエル氏は「私の訃報が載る際はこの話が取り上げられるのは間違いないと思う」と述べています。(予想通りでスミマセン・・。)
そんな大きすぎる責任を感じたパウエル氏は、演説の前になぜ気づけなかったとのかと後悔し、気づけなかった自分に怒り、間違いなく自分の人生の汚点だと捉えます。
しかし、パウエル氏は自分の汚点は汚点として素直に受け止めて前に進むことを決めます。
自分よりも責任の重い人への転嫁に逃げず、周りの慰めに溺れず学び、どこにミスがあったかを次に生かすように心がけて国務長官の責務をこなします。専門家からの意見についてはさらに厳しく疑うようになったのだとか。
自分を律して立ち直る精神力は、さすが軍人と思ってしまいますが、少しドライな印象も受けますね。
そうでなければ、大国アメリカの軍トップは務まらないというべきか・・。
当然ですが、イラク戦争で犠牲になった方やその家族についてはお悔やみ、お見舞いの気持ちを持たれています。
本書で初めて国連演説の経緯を書いたとありますが、それでも文章からはすこし口が重い印象を感じました。
本人の思う所は簡単には文章に書きあらわせられないのでしょう。
人生の汚点と感じることをどう捉えて、後の人生に生かすかといったところは少し参考になったでしょうか?
今回もひじょ~にざっくりなまとめをしましたが、少しはパウエル氏の事が伝わったでしょうか?
取り上げたの本書のほんの一部で、【13か条のルール】や人との付き合い方など所々に軍人らしさがあるものの、一般人にも生かせる教訓が詰まっていますので興味のある方は一度本書を手に取ってもらえたらと思います。
それでは最後にパウエル氏の【13か条のルール】で私が好きなルールを紹介して、終わります。
何事も思うほどに悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
コリン・パウエル氏のご冥福をお祈りいたします。
ではでは。
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