何かに投資をするときに、「複利で~」みたいなフレーズがよく出てくるので、「複利」という言葉に敏感になってしまった今日この頃。
今回は「シンプルな習慣を続けることで、複利のように効果が積み上がって人生が豊かになるよ」といった内容の書籍を紹介します。
今回紹介する『複利で伸びる1つの習慣』は著者のジェームズ・クリアー氏が自身の経験から、小さな習慣の積み重ねが長い年月の後に、いかに大きな成果となるかを書いた自己啓発書です。
全世界で2000万部以上発行されていて、「いま、世界で最も読まれているビジネス書」だそうです。
そんな著者の紹介から
「習慣」「意志決定」「継続改善」を専門とし、書籍の執筆だけでなく、講演も多数行っている。その著作はニューヨーク・タイムズ紙、タイム誌、アントレプレナー誌に掲載され、テレビ番組『CBSディスモーニング』でも紹介された。公式ウェブサイトの閲覧数は毎月数百万にのぼり、メルマガも300万人超に購読されている。定期的に「フォーチュン500」に名を連ねる大企業で講演を行う著者が提唱する方法は、NFL、NBA、MLBでも採用されている。更にオンライン講座「ハビッツ・アカデミー」の受講者は指導者、管理職、コーチ、教師を始め1万人以上。生活や仕事上でよりよい習慣を身につけたいと考えている個人や組織のための最高の養成講座となっている。ウェートリフティングや写真が趣味という著者は、現在妻とともにオハイオ州コロンバスに在住している。
本書著者紹介より
といった感じで、様々な組織や個人の習慣改善に貢献されている方です。
クリアー氏は自身が大けがをされた経験があり、その回復過程で小さな習慣の積み重ねの重要さを学ばれたそうです。
そんなクリアー氏の提言から分かりやすいポイントを3つ紹介します。
それでは、読んでいきましょう!
小さな習慣はどれくらい効果があるのか?
クリアー氏は小さな習慣の威力を本書内でしつこいくらい強調されていますが、非常に分かりやすい菜例えとして、航空機のルートに例えています。
ロサンゼルスからニューヨークへの航空機が機首の向きを3.5°だけずらすと、最終的にニューヨークではなくワシントンD.Cに着くそうです。(ちなみに3.5°という角度は、1m進むと6cmくらいずれるわずかな角度です。)
ごくわずかな差のように思えますが、最終到達地が大きく変わってしまうことがわかりますね。
逆に少しだけ改善した場合はどうなるでしょうか?
クリアー氏は小さな努力の積み重ねが最終的に大きな目標に到達することは間違いないが、その過程は直線的ではないと説明しています。
誰しも理想としては直線的に成長して達成感を得たいモノですね。でも、クリアー氏は「決定的な境界を越えて新しいレベルの成果を引き出すまで、なんの違いももたらしていないように見えることが多い。」と説明していて、成果が感じられない期間を「失望の谷」とも表現しています。インパクトのある名称ですが、分かりやすいです!
イメージは下図のような感じです。

実際には少しずつ成長しているのに、理想を下回ることに失望して「失望の谷」で挫折することが多いようですね。もう少し続ければ理想を越えられるのに・・・。もったいない!
ここがクリアー氏が唱える小さな習慣を推奨する大きなポイントですね。
今、取り組んでいることに成長感がイマイチでももう少し続けてみましょう!
習慣が働く4つのステップ
小さな習慣が大事なことは分かりましたが、クリアー氏はどうやって習慣が働くようにしているんでしょうか?
人が習慣化する流れは
きっかけ ⇒ 欲求 ⇒ 反応 ⇒ 報酬
という流れをとるそうです。
例えば、
目が覚める ⇒ 頭をハッキリさせたい ⇒ コーヒーを飲む ⇒ 頭が目覚める(最高!)
といった感じで、繰り返すことで毎朝の習慣化が完成しますね。
クリアー氏はこの4つの連鎖反応をいかに簡単に起こせるようにするかが大事だと説明しています。
それではそのコツを見てみましょう。
習慣をつづけるには?
クリアー氏は習慣を作る4つのポイントそれぞれについて、下の様にコツを伝えています。
- きっかけ ⇒ はっきりさせる
- 欲求 ⇒ 魅力的にする
- 反応 ⇒ 易しくする
- 報酬 ⇒ 満足できるものにする
結構シンプルですね。
1~4のポイントを常にループさせるイメージが大事ですから、ハッキリ(○○したら××)、魅力的(誘惑と義務を抱き合わせにする)、易しく(妨害するモノを減らす)、満足できる(ちょっとしたご褒美)を繰り返すと良さそうですね。
それぞれのポイントのコツは他にも紹介されていますが、自分の性格に合わせて考えながら取り組むともっと習慣化しやすいかもしれませんね。
まとめ ~複利は最強~
今回は『複利で伸びる1つの習慣』から、小さな習慣が人生に与える大きな成果について少し紹介しました。
タイトルにある「複利」という言葉は、経済学を学んだり、投資をしたことのある人には馴染みのあることばですが、「よくわからない」という人も多いかもしれません。
「複利」はアルバート・アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだほど、良くも悪くも絶大な効果を発揮する仕組みです。
原理は「元々持っているモノ(元本:資産等)に少しの利益を上乗せするのですが、次回に利益を上乗せする時は、【元本+利益】に利益を乗せる」という方法です。
つまり、0.5%の利益を5回複利で運用すると、「1.05*1.05*105*1.05*1.05=1.27」といった感じで、回数が増えるほど単純な足し算よりも大きくなっていきます。
今回クリアー氏が強調しているのは、小さな習慣を継続することで複利のような効果が発揮されて、気がつけば大きな成果にたどり着くということです。
本書はクリアー氏本人が大きな苦難を乗り越えて到達した1つの結論で、試行錯誤されたことがわかるほどたくさんのポイントが詰め込まれています。
「取り組みたいことがあるけど続かない」「悪い習慣を断ち切りたい」と感じている方は是非、手に取って読んでみてください。
毎日少しずつ複利をのせて豊かになりましょう!
ではでは。
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