スポンサーリンク

30年経っても泣いてしまう!『パーフェクト・ワールド』

山小屋の映画コレクション

最近、映画館で観たい映画よりも、自宅で映画を観れる作品が多くなってきて、昔懐かしい作品も観るようになってきました。

そして、観たい観たい!と思いながら、レンタル代(440円)をケチって先延ばしにしていた作品をようやく決心?して鑑賞しました。

1993年公開の『パーフェクト・ワールド』です。

32年前に映画館で鑑賞した作品で、当時小学生だった私が初めて一人で映画館に行ったという別の思い出もある作品なんです。

その時も感動して泣いてしまった記憶があるんですが、中年になった今ではどうなんだろう?という興味をありつつ楽しみました。

まずは、公式HPからあらすじを(簡易とはいえ、まだ公式があることに驚きます!)

1963年アメリカ。テキサス及びアラバマ州全土に敷かれた緊急捜査網をかい潜って、脱獄犯ブッチ・ヘインズは、8歳の少年フィリップを人質に逃亡を続けていた。物心ついたころから刑務所の壁と向き合って生きてきた孤独な男ブッチの犯した罪は、脱獄、誘拐、殺人にまでエスカレートしていた。追跡するテキサス州警察署長、レッド・ガーネットはブッチを初めて監獄に入れた張本人。再び犯罪者と追跡者となったふたりの男は、宿命の糸に操られるかのごとく、砂塵をあげて荒野を疾走した。フィリップを人質に逃げるブッチが目指すのは、この世に残された唯一のひとつの完璧な楽園“パーフェクトワールド”。しかし、追い詰められ、凶暴性をむき出したブッチは、一夜の宿を提供してくれた男に銃を突きつけるのだった……。

ワーナー・ブラザース公式HPより

といった感じで、脱獄犯に連れ去られた少年と、それを追跡する警察のやりとりを描いた人間ドラマです。

公開からかなり時間がたっていますので、今回はネタバレありで魅力を紹介します。

 

アフィリエイトプログラムを利用しています

優しい目の脱獄犯とコンプレックスを抱えた少年

本作は、凶暴なはずの脱獄犯であるブッチ(ケビン・コスナー)が、やむを得ず誘拐してしまったフィリップと少しずつ心を通わせていくストーリーが中心となっています。

そして、私が特に魅了されるポイントは、フィリップは父親が行方不明であったり、宗教上の問題でハロウィンやお祭りに行けなかったりと8歳なりにコンプレックスを抱えていることをブッチが知って、少しずつそのコンプレックスを和らげてあげているシーンです。

ハロウィンを装った強盗だったりもしますが・・・。

そんな風に心が近づいた二人は、実際は脱獄犯と誘拐された少年ですが、一緒に車で楽しそうに疾走しているシーンなんかはただの親子か年の離れた兄弟にしか見えません。

フィリップがブッチに走り寄っていって手をつなごうとして、ブッチが最初は嫌がるものの、最後は手をつないで歩くシーンはすでに涙腺が緩んでしまいますね。

涙腺崩壊のブッチの最期

そして、30年経った今回も涙腺が崩壊してしまったシーンがブッチの最期です。

逃走途中に、脱獄犯とは知らずに一晩泊めてくれた家族と接している時に、祖父が孫に暴力を振るっているのをみたブッチは、自身が父親から暴力を振るわれていた過去もあり、怒りを爆発させてしまいます。

そして、そのまま相手を殺してしまいそうになっていたため、フィリップが銃を奪い取り、動揺したままブッチを撃ってしまいます。

フィリップは怖くなって銃を井戸へ捨てて近くの草原に逃げますが、ブッチは出血がひどいもののフィリップを追いかけて話をしようとします。

ブッチは大きな木の下でフィリップになんとか追いつき、逃走しながら向かっていた理想地(アラスカ)のことや自分の父親のことを少し話します。(ここでブッチが自分の父親からの愛に飢えていたことがよくわかります)

その時に通報を受けた警察とレッド(クリント・イーストウッド)がフィリップの母親を連れて到着し、ブッチに銃を捨ててフィリップを解放するように呼びかけます。

ブッチは自分が逃げ切れない事を悟り、フィリップを解放する条件をレッドに伝えます。

その内容は、「ハロウィンに参加させろ」「祭りで綿菓子やコースターを楽しませろ」といった全てフィリップのための要求でした。

ここで私の涙腺は完全に崩壊します!

しかし解放されたフィリップはブッチと一緒に警察に向かおうとします。

ブッチは逃げるのを諦めてフィリップと一緒に投降しようとするのですが、「俺の代わりにいつかアラスカに行ってくれ」と絵はがきをポケットからだそうとしたところ、銃を出すと勘違いしたスナイパーに射殺されてしまいます。

予想外に撃たれて草原に倒れたブッチですが、その顔は安らかにみえました。

パーフェクト・ワールドとは?

今回は個人的に不朽の名作と思っているので、思わずほぼネタバレで紹介してしまいましたが、ブッチとフィリップとの絆とは別に、タイトルの「パーフェクト・ワールド」とは?についても考えさせられます。

公式HPのあらすじにあるように、ブッチを追跡していたレッドは最初にブッチを投獄した張本人で、作中では何か罪悪感のようなものを抱えながら追跡しているようにみえます。

そしてブッチが射殺された後に、追跡に同行していた犯罪学者に「何が正しかったのか分からん」と思わずつぶやくシーンが印象的です。

人はだれでも正しいと思う世界や理想の世界(パーフェクト・ワールド)を持っていると思いますが、「それを追い求めることで本当に手に入るのか?」「手に入れようとすることが良いことなのか?」、それは誰にも分かりません。

本作は「それでも自分の信念に従って生きていくしかない」といったメッセージも受け取れる気がします。

クリント・イーストウッド作品は本当に人間模様をしっかりと描くので、深く考えさせられる魅力がありますね。

この作品は、おそらく私が死ぬまでに何度も観ることになると思います。

旧作に興味がある方には是非一度鑑賞してください。感動を共有できれば幸いです。

ではでは。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました