ようやく梅雨が明けました。
これから夏本番で、登山に行って爽快感を味わいたいところですが、最近は本当に休みと天気が合わない・・・!悲しい・・。
もしかしたら、日頃の行いが悪いのかな?なんて少し悩みつつ、読書や映画を楽しんでいる今日この頃。
今回は悩みを抱える日本人全員に向けた、メンタルトレーニングの良書を紹介します。
今回紹介する『反応しない練習』はブッダの教えから、悩みが軽くなる考え方を学ぶことを目的に書かれています。
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著者は、
草薙 龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)
僧侶、興道の里代表。奈良県出身。中学中退後、16歳で家出、上京。放浪の後、大検(高認)を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクなど様々な職業を経て、30代半ばで得度出家。ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって教える活動をしている。
本書著者紹介より
すごい経歴ですね。実社会でも色んな経験を積まれた僧侶ということで、仏教を教えをわかりやすく伝える専門家です。
ちなみに、ブッダは「仏(ぶつ)やほとけとも称され、悟りの最高位「仏の悟り」を開いた人を指す。歴史的には実在した釈迦を意味する(Wikipediaより抜粋)」だそうです。「悟りを開く」と聞くと、ものすごく落ち着いていて、何事にも動じないイメージをしますよね。
そこには、合理的な考え方をすることで「ムダに反応しない」姿勢があるようです。ブッダは仏だから、慈悲深いイメージが強いですが、実はものすごく冷静で論理的な考え方をしているんですね。
本書から、実生活にすぐに使えそうなポイントを3つ紹介したいと思います。
悩みを解決するシンプルな考え方
草薙氏がブッダの教えから本書で伝えている主張は、「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける」ということです。
どういうことかというと、日常で「イライラ」「不安」「怒り」「悲しみ」を感じて、いわゆるストレスになっているわけですが、それらはすべて「心の反応」から作られているので、「反応しなければストレスはない」ということですね。
私も最初は読んでいてもピンときませんでしたが、意味を考えながら読み進める内に「なるほど!」と納得してしまいました。
今まで私が読んできたメンタルヘルス系書籍では、どちらかというとポジティブな面を強めることでストレスに強くなるような内容が多かった気がしますが、ストレスを生み出す心の反応自体を止める練習をするというのは、目からウロコでした。
草薙氏は「ムダに反応しない方法」として
- 心の反応を見る
- 合理的に考える
の2つを説明しています。
「心の反応を見る」というのはマインドフルネスのように、「今」の感覚を意識して言葉にすることで心の状態を理解する方法だそうです。これは、なんとなく分かりますね。
「合理的に考える」とは、目的が叶うように論理的に筋を通して考えることで悩みをなくす方法だそうです。なんとなく分かりますが、もうちょっと具体的に知りたいところですね。
私個人の経験から、メンタル不調で陥りやすい心の状態への具体的な対処方法を次に取り上げたいと思います。
自分を否定しない
メンタル不調に陥りやすい原因は、やっぱり失敗した時ではないでしょうか?
私が適応障害になった時は、失敗続き(今思うと、それほど大きな失敗ではなかったような気がしますが・・)で、自信を完全に喪失していた時でした。
草薙氏は、そんな時に大事なことは「そこで凹まないこと。決して自分を否定しないこと」と伝えています。
自分を否定することも「判断=心の反応」な訳ですから、どうやってその反応を止めるかが大事ですね。
それでは具体的にどうするか。
草薙氏は次の3つを紹介しています。
- 一歩、一歩と外を歩く
- 広い世界を見渡す
- 「わたしはわたしを肯定する」と自分に語りかける
この3つの中で、わたしが一番手っ取り早く、効果が高いと思うのは、3番目です。
草薙氏は、「肯定する」という言葉は、世間で言う「ポジティブ・シンキング」とは違うとして、「自分を否定する判断を停止させる」ために、シンプルな表現で語りかけることが大事だと説明しています。
以前に紹介した『鋼の自己肯定感』でも、自分を肯定する言葉を自分に語りかけることで、メンタルを整える方法が紹介されていましたね。
実際に私も、失敗をして落ち込む時は「自分を肯定する」と心の中でつぶやく時がありますが、確かに心の動揺が少し収まって、次に取り組む事に目が向きやすくなる気がします。
夜、寝る前に心の中でつぶやくのも個人的にオススメです。
確かめられないことは気にしない
これも「言われてみれば確かに」となるんですが、どうしても「どうなるかわからないこと」に囚われてしまうと思います。
草薙氏によると、ブッダは「確かめようのないことを追いかけるのは、苦しみを解くのに必要がない」という考えだそうです。仏教は現実の苦悩の正体を理解して、その苦しみから自由になることを目的としていて、この合理的な考えを現代人が大事にすべきと主張されています。
私も以前は本当に、いつも不安にかられていて、「あれが起こったらどうしよう」「明日は、すごいトラブルが起こったらどうしよう」「自分で気づかないミスがあって、明日は上司に怒られるんじゃないか」とばかり考えていました。
そして心を病むわけですが、色々な書籍を読んで回復してからは、「思っていたほど悪いことは、まず起こらない。起こったとしてもそれは先読みできない」という考えになりました。なので、このブッダの教えはすごく共感できますし、実用的な考え方だと思います。
人間に分かることは限界があるので、「今、確かめられないこと」に囚われても仕方ないんですね。分からないことに心を囚われないようにすると、草薙氏が本書で述べているように、「そのうち必ず、心が自由になる瞬間がやってきます。」
まとめ
今回は、草薙龍瞬氏の『反応しない練習』から分かりやすく、実践しやすそうなポイント3つ紹介しました。
なかなか仏教の教えを知る機会はないと思いますので、ブッダのクールで合理的な面を知ることができて興味深い書籍です。
今回紹介した内容は、本書の中でほんの一部です。数々のブッダの教えを元に、現代人に必要な考え方を草薙氏が分かりやすく説明されていますので、興味のある方は是非手に取って読んでみてください。
仏の心で健やかに生きていきましょう!
ではでは。
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