40代に突入してから、ドンドン時の流れが早く感じるようになりました。
世の中の流れもドンドン早くなっているんでしょうが、流行廃りについて行けなくなっていることが最近は特に寂しく感じます・・・。
「タピオカ屋」「いき○りステーキ」「ハンドス○ナー」等々、ブームになって最近みかけないものがたくさんありますね。
今回紹介する書籍は、そんな「タピオカ屋」をテーマに商売の仕方を説明した『タピオカ屋はどこにいったのか?』です。
まずは、著者のプロフィールから
1975年三重県生まれ。SMG税理士事務所・代表税理士。高校生の頃はクラスで成績最下位。かろうじて入学した専門学校をドロップアウトするなど、落ちこぼれの青春時代を過ごす。その後、記帳や申告業務を淡々とこなす従来の税理士像を覆し、「真の意味で中小企業の経営をサポートする税理士になる」と決意を新たにする。人よりも3倍の勉強量で税理士試験に打ち込み、20代で税理士資格を取得。現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の税務コンサルタントとして活躍。
本書著者紹介より
といった感じで、努力して税理士になり、中小企業の黒字化に取り組まれているコンサルタントです。
自身のyoutubeチャンネルでも情報発信されていますね。
本書は商売に関する素朴な疑問や利益がでる仕組みを初心者でも分かりやすく紹介しています。
その中から、特に分かりやすくて面白いポイントを2つ紹介します。
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タピオカ屋はなぜ流行ったか?
本書を読むまで私も知りませんでしたが、タピオカブームは3回目だったそうです。
1回目はなんと1992年だそうです。30年以上前ですね。
その時は白いタピオカが入ったココナッツミルクだったようですが、最近のものは黒いタピオカがミルクティーに入っていましたね。
それにしてもタピオカ自体は特別美味しいというわけでもないような気がしますが、どうして流行ったたんでしょうか?
菅原さんは社会トレンドが変化したことが大きいと説明されています。
具体的には若い世代の行動が、「モノ消費」から「コト消費」に変化したということです。
つまり、「高価なモノを買ってステータスとする」時代から「貴重な経験をするコト」を重視する時代になったということですね。
確かに、最近は物価上昇が続いて「日本が貧しくなった」と煽る人もいますが、個人的にはまだかなり豊かだと感じていて、「モノ」自体の価値観は薄れていると思いますね。
そういった感覚を持つ人が多いことで、「貴重な経験=映えるコト」が注目を集めるようになり、タピオカが流行ったということだそうです。
そして、核心の「タピオカ屋はどこにいったのか」という問いには、菅原さんは「すでに撤退して唐揚げ屋やマリトッツォ店に変っている」と説明しています。
寿命(プロダクトライフサイクル)が短いブーム商品で商売をする時は、省資金・省スペースで始めてブームが去ったらすぐに事業を変えられるようにしているのだとか・・。
その変わり身の早さは私には真似できないので、尊敬してしまいます。
そういったフットワークの軽さがないと起業して成功はできないんでしょうね。
カップ麺が1000円でも売れるのか?
本書タイトルの『タピオカ屋はどこにいったのか』については、すでに答えが出ていますが、菅原さんが説明している商売の本質的なトピックスが面白いので紹介します。
今、スーパーやドラッグストアでカップ麺を買うと、いくらでしょうか?
一番安いモノなら90円くらいでしょうか。
それでは、カップ麺が1000円でも売れる場所はどこかわかりますか?
菅原さんの説明によると答えは「富士山頂」です。
これは、私の様な登山が趣味の人にはすぐに理解できます。
高い山に登る時は基本的に自分で食料や飲み物を準備しますが、それでも足りない場合に山頂で調達することもあります。
その時、買い手は「高いからガマンしよう」とは絶対になりません。(実際私も買ったことがあります。)
登頂した達成感の中、食べるカップ麺・スポーツドリンクは、もはやプライスレスです。(個人的には)
つまり、商品自体は高い付加価値がないけれども貴重な経験と組み合わさることで、高い価格設定でも売れるということですね。
「需要と供給」を利用するということですが、菅原さんは「貴重な体験は高くても売れる」と表現しています。
私はこのポイントは売り手だけではなく、買い手も意識した方がよいポイントだと思います。
買い手も「今買おうとしている商品は、高くても自分を満足させる体験を生むか?」と意識することで満足感が更に高まると思います。
特に高い買い物の時は、ぜひお試しあれ!
まとめ ~利益は価値観の中に~
今回は菅原由一さんの『タピオカ屋はどこにいったのか』から、ブームにのった商売の考え方や利益を生む考え方をほんの少し紹介しました。
本書は近年ブームとなった「タピオカビジネス」から始まり、商売の基本を税理士という専門家の目線から核心的なポイントを易しく説明されています。
身近な商品・商売を題材に取り上げられているので、事業の基本を勉強する入り口としてよいのではないでしょうか?
なかなか一般人が事業を始めることは少ないかもしれませんが、本書を読んで、勤めている会社や就職しようとしている会社に対する見方が少し変るかもしれません。
商売の本質に興味がある方は是非読んでみてください。
ではでは。
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