こんにちは、ゆる登山家です。
2021年10月18日に元アメリカ国務長官のコリン・パウエル氏がコロナ感染に伴う合併症で亡くなりました。
ジョージ・W・ブッシュ政権時代に黒人初の国務長官に就任し、あのイラク戦争時にもアメリカの外交をリードしてきた人物ですので、私と同じようにテレビでよくみたという人もいいのではないかと思います。
パウエル氏は17歳から56歳まで39年間軍に在籍し、陸軍の大将まで上り詰め、米国4軍(陸・海・空・海兵隊)トップの統合参謀本部議長に最年少で就任するという輝かしい経歴の持ち主です。
その様々な経験から培われたリーダーシップや人生観について一つにまとめられているのが今回紹介する『リーダーを目指す人の心得 コリン・パウエル、トニーコルツ著 飛鳥新社』です。
今回は本書の中で特に会社員に参考になりそうな内容を2点紹介したいと思います。
本書の最初にパウエル氏が述べているように「確実に言えることは、私はこれでうまくいった」という表現にあるように、少し自分の生活に当てはめて参考になればと思います。
(ちなみに私は「私はこれでうまくいいった」の文章にパウエル氏の人柄が感じられて好きです。)
それでは読んでいきましょう。
人を動かすリーダーシップ
これは本書だけでなく、様々な書籍で紹介されているので特に目新しい内容ではないかもしれません。
しかし、パウエル氏が長年働いてきたのは軍です。
大多数の日本人には想像しにくいですが、屈強な軍人の集団をまとめあげるリーダーシップは様々な集団をまとめる参考にはなると思います。
「リーダーとは?」という質問にパウエル氏はこう答えるそうです。
「責任を持って受け持つ勇気のある人物。人々が反応し、この人にならばついて行こうと思える人物。」
そういったリーダーがどの様に行動するべきかについては、パウエル氏の経験が述べられている次の2点が参考になると思います。
・部下に尊敬されようとするな、まず部下を尊敬せよ
仕事は時間・労力と引き換えにお金を支払うことで成立するので、部下は与えられた仕事をすればよいわけですが、さらにレベルの高い仕事を達成するためには部下の意欲を高めなければなりません。
そのためにはまず、リーダーが部下から尊敬を得られるように利己的でなく倫理的に正しい行いをすべきとのこと。
パウエル氏もペンタゴン高官から「20分以内に大隊を講堂に集めろ」と無理な要求を突きつけられて困ったことがあるそうです。
その時は何とか集めたものの、部下はきっと不満に思っているだろうと落ち込んだそうですが、部下からは「あなた(パウエル氏)がそんなバカなことをしないと兵たちはわかっていますから大丈夫ですよ」と言われ、心に灯がともったような気持だったと述べています。
日ごろから信頼関係を築いていれば、突然の無理な要求にも理解が得られるということですね。
上司にも伝えたい!という方は多いでしょう(私含む)
・現場が正しく、スタッフは間違っている
これは極端な印象もありますが、確かに私も以前に工場を一つ受け持っていた時の経験を思い出すと何となくわかる気がします。
パウエル氏は新しい隊に赴任すると、「現場の意見を尊重する」と伝えるそうです。
そうなるとスタッフはパウエル氏の了承を得るためには現場と協力して物事を進める必要がでてくるため、現場とスタッフの両方向のコミュニケーションが生まれてくるそうです。
そしてパウエル氏によると「私の経験からだいたい70%は現場が正しい」とのこと。
いずれ紹介できればと思いますが、著名な経営者も現場主義の方が多く同様に現場とスタッフ間の連携をどうやってスムーズにするかを重要視しているようです。
ちなみにリッカートという組織心理学者が提唱しているリーダーシップでは【リーダーが連結ピンとなって部署間をつなぐと成果がでやすい】と言われていますので、パウエル氏は上記の方法で現場とスタッフをつなぐことで隊全体の成果を高めたのでしょう。
やはり人を動かすという点については軍隊でも一般社会でも共通する部分はありますね。
次回はパウエル氏が人生を振り返って伝えたい教訓について紹介します。
ではでは。
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